永久歯は32本生えてきますが、そのうちの4本に悩まされる日本人が、食生活の変化とともに増えています。
10代後半から20代前半にかけて生えてくる親知らずですが、まっすぐに生えてこないことがほとんどであり、智歯周囲炎と呼ばれる、親知らずの歯肉炎を発症しやすい環境にあります。
親知らずがどのように歯肉炎を発生させるのか、また親知らずを抜かなくて良い場合について、こちらでご紹介していきます。
日本人の歯は、長い間その数も大きさもほとんど変化がありませんが、ここ数十年の食生活により、顎の大きさはかなり小さくなりました。その結果、親知らずがまっすぐ生えてこない場合が多いのです。
顎の中に埋まってしまい、完全に歯茎の外側へ出てこなければ良い方で、大半は斜めに生えてきたり、他の歯を圧迫したりと様々な問題を起こします。
親知らずが斜めに生えている場合、歯茎が大きく被さってしまったり、歯と歯に僅かな隙間ができてしまったりすると、ブラッシングが難しくなります。隙間には食べ滓や細菌が入り込み、炎症を起こします。
親知らずが生えると場合にもよりますが、口臭の原因となるのはもちろん、歯垢が溜まりやすくなり、歯肉炎を発症しやすくなります。親知らずの歯肉炎は、特に智歯(ちし)周囲炎と呼ばれています。
歯垢が溜まっているため、臭いが出るのはもちろんですが、炎症を起こし、化膿して膿もでます。その膿がさらに臭いを発します。強い痛みを伴う場合もあります。
親知らずの周りで起こっている炎症なので、進行すると、口の開閉や飲み込みに支障がでる場合さえあります。
親知らずが正しい方向に生えており、上下で噛み合わせる事が可能であれば抜く必要はありません。斜めや横向きに生えている場合、噛み合わせができない場合は、抜歯をお勧めします。
正しく生えていない親知らずは、平常時には特に問題がなかったとしても、体調の著しい悪化や、妊娠した場合には、強く痛んだり化膿したりするケースがあります。特に妊娠時は、お腹に胎児がいても抜歯を行う方が良い場合さえあります。
歯肉炎を発生しやすいのもやはり問題なため、抜歯をおすすめしています。
正しく生えている場合は、将来的にブリッジや移植など、治療に活用できる可能性があるため、抜歯を行わない場合もあります。ただし依然として磨きにくい歯であることに変わりはないため、抜歯するよりリスクがあるとも言えます。
しっかり親知らずの裏側まで磨き、虫歯や歯周病などを予防しましょう。
親知らずが生えてきたら、虫歯や智歯周囲炎などのリスクを抱えている状態かどうかを確認することをお勧めします。レントゲン撮影を行わないと見えてこない部分もあるため、歯科検診が必要になります。
親知らずは、痛んだり、臭いを撒き散らしたり、他の歯を巻き込んだりと様々な悪影響を及ぼします。痛みなどはなくとも、お気軽に当院へお越しください。
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