厚生労働省の調査では、30代以上の日本人のうち、およそ8割が「歯周病」を抱えているという報告があります。つまり大半の方は歯磨きが十分ではない、という事です。
「歯周病」の中でも、歯肉炎と呼ばれる軽い状態であれば、ブラッシングを改善するだけで治療が可能です。また、歯周炎に進行しても、歯科治療が可能です。実際にどのような治療が有効とされているのか、見ていきましょう。
歯肉炎は歯に歯石が付着することで発生します。歯石がつかないようなブラッシングを行えば、歯肉炎を治療することができますし、予防にも繋がります。
その一つが「スクラビング法」と呼ばれるブラッシング方法です。
歯と歯茎のすき間を狙い、直角に当てつつ前後に小さく、一箇所につき20回程度往復させます。スクラビングとは「こする」という意味です。その幅は数ミリほどで良いので「振動」と表現した方がわかりやすいかもしれません。
上の歯から下の歯へ、縦方向に往復する方法もありますが、歯肉炎予防には横方向の往復、それも小さく振動させる方法が効果的です。
歯ブラシの持ち方は、ちょうどペンを握るような感覚です。腕の力は必要ありません。歯ブラシの毛先の弾力を利用して磨きましょう。
歯肉炎を発症していれば、弱い力でも出血することがありますが、出血を怖がるあまり軽めで済ませると、その部分から悪化することになります。
歯垢が除去できれば、歯茎は強く引き締まり、細菌のすみかとなる歯周ポケットも、浅いものであれば元通りになります。ブラッシング方法をしっかり学び、それを毎日敢行することで、自宅でも歯肉炎を治療することができるのです。
ご来院いただければ、それぞれの歯に合わせたブラッシングをアドバイスできます。
軽度の歯肉炎であれば、ブラッシングを改善できれば治療が可能です。しかし歯肉炎が進行すると、骨が溶け出す「歯周炎」となります。この状態になると、医師による処置が必要です。
まずは歯についた歯石を除去しなくてはなりません。プローブと呼ばれる道具で歯周ポケットの深さを測り、それぞれの歯の症状を確認します。歯周ポケットが深い場合は、歯茎より下の歯石も積極的に除去します。
被せ物がブラッシングの邪魔をしている場合は、被せなおします。また、歯並びを治す方が良い場合もあります。
歯石が除去できても、ブラッシングを徹底しなければまた歯石が付いてしまいますので、今後のために当院で正しいブラッシングをアドバイスします。
歯肉炎から歯周病へと進行すると、その治療には時間がかかります。始めのうちから歯周病を意識し、正しいブラッシングを心がけつつ、定期的にご来院いただき、チェックを受けていただく事が重要となります。
歯肉炎の対処法にはご家庭でできるもの、そうでないものがあります。まずはご自宅でしっかりとケアを行っていただき、それでもダメな場合や歯周炎となってしまった際には、当院までお越しください。
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